精神科訪問看護について、ご利用をお考えのご本人さまへ

ご利用を考える

「精神科訪問看護を利用したいけどよく分からない」という方には、次のようなことに対し、不安を持たれる方が多い印象があります。

・何をされるかわからない
・お金がかかるんじゃないか?
・日常生活を監視されるんじゃないか?
・日常生活に制限・強制がかかるんじゃないか?

では、これらについて解説していきます。

●何をされるか分からない

これが分からず、家族や相談員さんに勧められても怖くて頼めない、という方が一番多い印象があります。訪問看護、とりわけ、精神科訪問看護では「特別に何かをする」ということはありません。「特別に何かをしているようには見えない」と言った方が正解かもしれません。
精神科面接では、普段口にする言葉の端々や表情、ちょっとした行動から、患者さんの状態の良し悪しを判断していきます。
次に、心に不安を抱える人は「誰かに思いのたけを話す」ことで考えがまとまったり、ホッとすることが不思議なほどに多いです。そういった、「何でもない生活の、何でもない会話を通して、心の安定を図る」というのが「精神科訪問看護」です。だから、特別なことは無いんです。待っていただければ、それだけで精神科面接は終了します。

●お金がかかるんじゃないか?

お金の事が不安で敬遠している人は、意外に多いです。
精神科訪問看護は、「精神科医師の指示」のもとで行われます。
その際、福祉サービスの1つである「自立支援制度」が利用できます。
これは、「病院での診察料金」や「精神科のお薬料金」を3割負担から1割負担に減ずる福祉サービスですが、精神科訪問看護もこれを利用する事が出来るのです。

さらに、各世帯での収入により患者さんが直接支払う「自費」の上限は決まっており、それを超える分については、公費でまかなわれる仕組みになっています。
詳しい例を挙げると、上限2,500円の方が月1回、1か月分の処方をもらったとします。すると、クリニックの診察料金が約1,000円くらい/1回、お薬代が約1,500円くらい/1回になります。上限料金は0円、2500円、5000円・・・と様々ですが、上限以上の支払いが発生することはありません。ちなみに、精神科訪問看護は通常、週3回まで受けられますので、1か月で最大12回まで受けることが出来ます(受けなければらない、というわけではありません)。また、体調不良の際には、連続で訪問が出来る方法もあるのです。

●日常生活を監視されるのではないか?

訪問看護の役割には、「診察室でしか会う事のないお医者さんが、患者さんの普段の生活の様子を知るために利用する」という、設定があります。これについては、「診察室では『大丈夫』と言っていた患者さんが、実は大丈夫でなくて入院してしまう」というケースが、ままある為です。
ですが、この訪問看護を「医師の指示で自分の生活を監視しに来た」という具合にとらえられる方が稀におられます。
患者さんは、真面目で気を遣われる方が多く、診察室で医師に言いたいことが言えず、無理をしているケースが意外と多いのです。
そこで看護師がご自宅に訪問し、「実は○○が今は難しい」といったことについて、患者さんと一緒に考え、改善し、自分で言えないことについては看護師から報告する、という方法があるのです。それが精神科訪問看護で、患者さんを監視することはございません。

●日常生活に制限・強制がかかるんじゃないか?

訪問看護を利用する際に「決まった日時に家に居ないといけないのが苦手だ」という方がいらっしゃいます。
確かに、決まった日時に訪問に伺うことが基本ではあります。しかし、用事がある時には、日時の変更やキャンセルは可能ですし、生活リズムの変化に対し可能な限り対応させて頂いています。
ただし、これは、「好き勝手にしていい」という意味ではありません。患者さんと訪問看護ステーションで交わした「お約束」については守っていただきたいと思っています。ちなみに「お約束」というのは、「キャンセルする際は前日までにご連絡をください。」といった、基本的なルールです。

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